
新しい認知症との向き合い方:2024年「共生社会」実現に向けた基本法を理解する
日本は高齢化が進み、認知症の方も増加しています。2024年1月1日、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました 。これは、認知症に特化した初の包括的な法律で、社会全体で認知症に向き合い、誰もが安心して暮らせる社会を目指すものです。
1.より良い社会を目指して:認知症基本法の背景と目的
認知症基本法は、認知症の方への支援体制強化と社会全体の意識改革を目的に制定されました 。名称が「痴呆」から「認知症」へ改められたように 、社会の認識は変化していますが、更なる対策が求められていました。認知症の方も尊厳を持って生きる権利があり 、包括的で連携の取れた対策が必要とされ、当事者や家族の声が制定を後押ししました
この法律の最も重要な目的は「共生社会」の実現です 。これは、認知症の方を含め、すべての国民が互いを尊重し支え合いながら生きていく社会を意味します 。認知症になっても尊厳を保ち、希望を持って暮らせる社会を目指すことが根幹にあります 。
認知症基本法は、以下の7つの基本理念を掲げています 。
- 基本的人権の尊重と意思に基づく生活
- 認知症に関する正しい知識と理解の普及
- 日常生活及び社会生活における障壁の除去
- 本人の意向を尊重した保健医療・福祉サービスの提供
- 本人だけでなく家族等への支援
- 研究開発の推進と成果の活用
- 教育、地域づくり、雇用、保健、医療、福祉など各関連分野における総合的な取り組み
2.法律は動き出した:施行後の現状
認知症基本法は2024年1月1日に施行され 、政府は「認知症施策推進基本計画」を2024年12月3日に閣議決定しました。(計画期間は2029年まで )。基本計画では、「新しい認知症観」の普及、本人の意思尊重、地域での安心した暮らし、新たな知識や技術の活用などが重点的に取り組まれます 。内閣には認知症施策推進本部が設置され 、計画策定には当事者や家族の意見が反映されています 。
都道府県や市町村も、国の基本計画に基づき、地域に応じた認知症対策計画を策定することが推奨されており 、既に先進的な取り組みをしている自治体もあります 。法律施行後、社会全体の関心も高まり、知識普及や認知症フレンドリーな取り組みが広がっています 。
3.みんなで支え合う:政府、個人、そして地域社会の役割
共生社会の実現には、国や自治体だけでなく、国民一人ひとりの意識と行動が重要です 。国と自治体は包括的な対策を策定・実行し、国民は理解を深め、地域で支える責任があります。サービス提供者は質の高いサービスを、事業者は合理的な配慮を行うことが期待されています。
4.声を聴く:当事者とその家族の想い
認知症基本法は、当事者の声が反映され、「共生社会」という言葉や基本的人権が明記されたことは大きな意義があります。政策決定への当事者参加が求められ、家族にとっても支援の強化は歓迎されています。
5.地域で共に生きる:認知症フレンドリーコミュニティの広がり
「認知症フレンドリーコミュニティ」形成の動きが広がっています。これは、認知症の方が地域で理解され、自立して生活できる環境を目指すものです。各地で様々な取り組みが進んでいます。
6.未来への展望:課題を乗り越え、希望に満ちた社会へ
課題は残りますが、認知症基本法は社会を大きく変える可能性を秘めています。今後は、当事者の積極的な参加、技術の進歩、新たな治療法や予防法の研究、そして社会全体の理解が進むことで、誰もが安心して自分らしく生きられる社会が期待されます。
認知症についての詳しい支援、活動は以下のサイトから御覧ください。
一般社団法人 日本認知症資産相談士協会
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